Ⅰ.護看の視野を海外に広めて
看護トラベリング・セミナーを計画して
荒井 蝶子
1
1病院管理研究所
pp.8-13
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913335
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日頃の生活の中で考えたこと
自分自身の可能性を,いつもできる限りの範囲でためしたい。そしてそれは,つねに何か新しいものでありたい。──そんなことを,ふと頭の一角にかすめてみては,それでも毎日の仕事や,時間にその思いが押し流されてしまって,結局何もしないで終わってしまっている生活が,私の日常であった。もし,それが,より多くの人の,そういった思いの縮図であるとすれば,私と同じように自分を思いかえしている人が多いのかもしれない。一寸のきっかけが,案外と事を運び,そういう思いを抱いている人たちのために何か新しい試みが実現する運びとならないとも限らない。そんな試みやらきっかけやらは,いったいどこにころがっているだろう。いやどこかにころがっているものを拾うのではなくて,自分の可能性を,あるいは自分の生活を,より多くの方向に拡張しようと思うときは,多少の苦難はあっても,自分で何か新しいものを築いてみる勇気がなければならないのかもしれない。そんな勇気を裏付けるのは,どんな動機を,どんな形で生み育てればよいのだろうか。
よし,そうだ,ともかく何かをしてみよう。何しろ事をおこしてみることだ。それから,この複雑めいた人間の心を満足しうることに突進してみて,少しずつ足もとを固めてみよう。
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