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ナイチンゲールの「看護に関する覚え書」
高橋 功
pp.73-75
発行日 1953年11月15日
Published Date 1953/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912500
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ナイチンゲールが書いた本の中で,一番広く読まれているのは「看護に関する覺え書」でせう。副題に「看護はどうしたらいゝか,又はどうしてはいけないか」と書いてある通り,それは看護の手引であり,看護学への入門書とも言うべきものです。
クリミア戦争に於けるナイチンゲールの偉大な功績をほめたたえるために,朝野こぞつてナィチンゲール後援会を作り凱旋の曉には更にナイチンゲールに立派な仕事をしてもらうために基金が募集されました。そして45000ポンドの基金が集められました。ナイチンゲールはこの基金を元にして,看護婦養成所を建てたいと考えました。そして1859年になつていよいよロンドンの聖トーマス病院の一角に,これを建てることに決めました。この年12月に,ナイチンゲールは,この「看護に関する覺え書」を印刷にしたのです。恐らく看護婦養成所の教材とするつもりだつたのでせう。この年には又,「病院に関する覺え書」という本も書いていますが,姉妹編として重宝されているものです。
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