この人と30分
看護婦さんを女房にした僕の看護婦観—無着成恭氏とトキ夫人
所沢 綾子
1
1編集部
pp.62-63
発行日 1963年10月1日
Published Date 1963/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912041
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中央線の武蔵小金井駅下車,バスで10分。東京もここまでくれば,空も澄んで,あたりは緑の匂いのする空気でいっぱいだ。7月中旬のある日の昼下がり,無着成恭氏とトキ夫人をお宅にたずねた。
林間学校から帰って来たばかりの無着氏は真黒に陽にやけていたし,白粉けひとつないトキ夫人の顔もいかにも健康そうで,明るいすがすがしい感じの御夫婦—それがまず強い印象としてとび込んで来た。あるいは山彦学校などの無着氏に対する私の先入感と,日赤の看護婦さんであったという夫人への先入感が,いかにも清潔で健康な人であると,最初からきめてかかっていたのかもしれない。だが,その期待はいささかも裏切られなかったのだから……。さて,前置きはこのへんにとどめて,無着氏と夫人が,かわるがわる語ってくれた。看護婦との共働きの苦労と,氏の看護婦感をお伝えしよう。
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