特集 成人病看護
成人病(循環器系)についての考え方
日野原 重明
1
1聖ルカ国際病院内科医科
pp.14-16
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911921
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成人病の意味
成人病ということばは日本で作られたことばでこれを英語に飜訳しようとしても適切なことばは見あたらない。しかし,それにほぼ該当することばは老人病である。老人病のなかには,壮年時代にすでに病気が始まるものがあり,壮年期に気をつければ老人になってからもその発病を予防したり,または進行をとどめたりすることができるものがある。そのような病気を成人病としてとり上げると,心臓病,高血圧症,動脈硬化症がまっ先にあげられる。そのほか,成人病としては癌や糖尿病などもふくめられている。ここでは成人病のなかで循環器に関係するものに限られるので,高血圧症,心臓病,動脈硬化症について述べる。
1.心臓病について
心臓病を大別すると以下のごとくである。
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