特集 人間関係
人間関係を看護にいかす
治療と看護に疑問を持っている慢性疾患患者
加納 君子
1
1国立岡山病院内科
pp.27-28
発行日 1962年9月15日
Published Date 1962/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911721
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- 文献概要
慢性疾患の看護のむずかしさは,いまさら申すまでもありません。実際に経験してみて,問題の複雑なことを日び痛感しております。なかでも多くの場合,療養が長期にわたること,またさして肉体的な苦痛を伴わない,という二つの原因によって起こる医療職員との人間関係は,往々にして患者により,思いがけない不信を招くことがある。この場合,どのように誠意ある看護をしてもいっこうに効果はなく,時にはかえって反応を増す結果となる。最近は,人間関係のことが特にやかましく叫ばれ,どちらをむいても人人人のなかでの毎日の仕事を思うと,まず人間関係がうまくゆくことが,その目的の達成には必須の条件であるとつくづく考えさせられるようになりました。
次に何が患者を不満にさせるか。おもな問題点をあげてみる。
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