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病院の公衆衛生活動と看護婦の役割
吉田 幸雄
1
1病院管理研究所
pp.16-21
発行日 1961年7月15日
Published Date 1961/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911422
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1.はじめに
医療の社会化と公衆衛生の発展により,医療の分野の活動と公衆衛生の分野の活動とが,だんだん重複競合して来たことは,日本ばかりでなく世界的の傾向でもある。すなわち,医療は治療を中心とし公衆衛生は予防を中心として発展して来たが,最近では,それらを一貫したcomprehensive health careという考えで問題を処理すべきであるという主張が支配するようになつて来て,およそ健康の問題は,健康の維持増進,疾病の予防,疾病の治療,rehabilitation(更生)という一連のものとして把握し,処理すべしということになつて来た。
したがつて,従来医療は,一人一人の患者の問題として取り扱つていたが,これをその地域社会の問題としてとらえ,医療を受けるものも,与えるものも共同して一連の組織を持ち,公衆衛生という,地域社会または特定集団の健康を課題とすることになつて来た。
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