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一日看護に参加して
本田 幸子
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1都立広尾高等学校
pp.65
発行日 1959年9月15日
Published Date 1959/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910931
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一度はやつてみたいと願つていた看護婦をやることが出来てこんな嬉しいことはありませんでした。上から下まで全部を拝借し,鏡に写した時,本当に看護婦さんになつたような気持になり大変満足しました。かつてあこがれていた姿!。丁度「1日看護婦」として初めて訪れた日は,5月12日,フローレンス・ナイチンゲールの誕生日に当り,廊下や,部屋に,花が飾つてありました。病院の総婦長さんから,清潔感を与え,活動しやすい白衣,帽子,靴等の使用の理由を伺い今迄の疑問点がうなずかれました。
看護婦といえば「白衣の天使」といわれ,病院の中できびきびと働いている姿を,今まのあたり見ることが出来,全く美しく賢く頼もしい感じでした。私達は小児病棟を看護することになつた。小児病棟の子供達は各科まちまちの病名で,1つの病棟に入院していました。私は全く自信がなかつた。本当に何をしてどのようにすれば,この病気の子供達に最も喜ばれるのであろうか,途惑つてしまつた。しかし子供達は,2,3のものを除いては皆以外に元気で,何処が悪いのか,ちよつとわからない位である。病院と聞くとなんとなく;陰気で寂しい感じがするが,小児病棟では全くそのようなことは感じられなかつた。次第になれてくると,「お姉ちやん」とか「看護婦さん」とか呼ばれ,なついてくるのが嬉しいが少しくすぐつたく,実感がともなわない。
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