美しいヒフをつくる医学 美容の焦点・10
ヒフと化粧品
安田 利顕
1
1関東逓信皮膚科
pp.46-47
発行日 1959年3月15日
Published Date 1959/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910814
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女性にとつて化粧品は一時も身からはなすことのできないものですが,男性にとつても,化粧品がなかつたら女性の魅力は半減してくるだろうといわれています。なるほど,昔お化粧もしないで働く女性が,わが国ではたたえられたことがあります。というのは,化粧品が男性にこびをうるための手段として使われていたからです。そういつた意味もあつてでしようが,化けて粧うというものというのでこの名があるものと思います。つまり,化粧品という名称は女性にとつては有難くないことばで,外国語をこれにかえたらと思うことがあります。コスメチツク(cosmetics)は如何でしようか。
というのは化粧品は,美しくみせることだけが目的ではないのでして,ヒフをととのえて,うるおいのある,なめらかな,すべすべしたものにして,ヒフの健康をまもる働きもあります。しかし,肌を滑らかにするものが全てヒフを保護するとは限りません。一時流行した「光る化粧」のためのもの,フアウンデーシヨン・クリームは,つやつやした肌にみせる働きはありますが,逆に肌を荒してきます。
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