扉
お天気やさん
pp.5
発行日 1957年9月15日
Published Date 1957/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910419
- 有料閲覧
- 文献概要
10年もそれ以上も前の古い古い友達が数人集つて,昔共に働いたなつかしい職場を訪れ,当時の思い出に花をさかせ,美しい夢を再びみ合つてたのしく語らい合つているうちに,話が現実の世界にもどつて来て,それぞれは最近の自分自身のことや,まわりのこと,主人のこと,世話をしている子供のこと,などに移つて来ていました。戦災孤児である或施設の子供が,今年看護学校を卒業したが,大そう気だてがよく,卒業後職場をきめる時,あちこちの婦長さんからほしがられた話が出て,「ああ,Tちやん国家試験に合格出来てよかつたわね」,「ほつとしたわ」,「そう,国家試験通つたの,よかつたこと」など皆で,その成功をよろこんでいました。すると,一人の友人が,「国家試験もいいけれど,私はこの間とつても不親切な看護婦さんにあつて,しやくにさわつたから院長先生に言おうかと思つた」と,いきまいていました。「どうしたの?」思わず先きをききたくなります。
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.