読者文芸欄
短歌,他
谷 鼎
pp.68-72
発行日 1956年9月15日
Published Date 1956/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910185
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花の名の家に住みつつ生むを許されぬ若き夫婦は小鳥飼い居り夕雲の流れ告ぐれば杖とめてあわれ素直に顔あげ給う知覚のこる舌をふれしめひたぶるに点字の聖書君は読みつぐ 〔評〕なかなか手馴れた詠み方である。他人の悲惨な境遇に対して愛情を以で接している作者が想われる。対象への愛情と表現力との一致が生んだ佳品で,そのいずれを欠いてもこれだけのものは得られない。
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