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金歯と盲腸
杉村 栄
1
1東京作家クラブ
pp.239-245
発行日 1956年4月15日
Published Date 1956/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910114
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町の高台に保健所がありました。
陽がすつかり沈んで夕闇がせまつてくると,行儀よく二列に並んだ十八程の窓の灯が,一つ消え,二つ消え,6時になると左端の小窓のみが輝いています。近在の人々で賑う保健所も夜になると,ひつそりかんと静まりかえつてしまうのです。どんなに病人が苦しかろうと時間がくると門が閉ざされてしまいます。
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