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詩の療養所晴嵐莊
関口 修
pp.124-128
発行日 1955年4月15日
Published Date 1955/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909807
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山で逢つて山で別れる,とは登山家がよく口にする言葉だが,病院で逢つて病院で別れる—親しみも愛情もいたわりもさゝやきも,退院と同時に,患者からサヨウナラするナースの生活にも,それに似た哀愁がある。しかも目まぐるしい勤務に疲れた感情をジツと支え,病める人達に明るい明日を与えようと,真劒に人生と対決するその日々を思うと,何かしら胸底を流れる一すじの熱いものが感じられる。
(今日もきれいに晴れた秋空の下で潮鳴りを聴きながらこのサナトリウムに働くことのよろこびを胸いつぱいに感じながら高い知性と愛とを求めつつ私はこころしずかに朝の看護をはじめてゆく)
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