発行日 1950年2月15日
Published Date 1950/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906612
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凾館柏木病 院だより
凾館市立柏木病院(精神科)と謂いますとすぐ「あゝ精神病患者を收容する病院か—」と簡單に言われ,世間にはおよそ縁の遠い存在であるかのように思われるのでありますが,この病院は不幸にして,あの恐ろしい梅毒によつて,おかされる精神障害や精神分裂病等にかゝつた場合,安心して療養出來るようにするため施設されている病院であります。この病院は明治34年に當時市内谷地頭町に精神病舎として小規模な病舎を開設して,その後いろいろ施設の擴張をし,内容も整備され,その後建坪341坪という大きな病院になつたのでありますが,大正10年の大火で全燒したため一時患者を元の中の橋病院に收容し,大正13年に現在の柏木町に新設され,今日に至つたのでありますが,今年は恰度創設48年に當つて居ります。
現在70名の患者が入院しておりますが,最近入院患者が増加の傾向を見せております。これはいろいろの原因もありますように,經濟事情等による生活難からくるものも相當あると思われ,殊に最近多くなったのは性病による,所謂梅毒性のもので,これは潜伏性の梅毒が突然腦神經をおかしてくる病状で,これには專門的な療法を要しますので特にこの點に力を入れております。
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