フロントライン'99 システム
病院のチームカンファランスを再考する—効果的な運営に役立つ知見
野中 猛
1
1埼玉県立精神保健総合センター
pp.546-550
発行日 1999年6月1日
Published Date 1999/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905857
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はじめに
病院は実に多数の職種が働く場面である.一方,病気は実にさまざまな病態を示し,それぞれの患者は実に多様な生活を営んでいる.病院でサービスを提供する側は,患者を治療する目的のために専門分化しているのだが,往々にして意見が一致しないまま,チームとして適切な効果を発揮できていない.本来チームワークとは,複数の者が知恵と力を合わせて目的を達成することである.病院という機能が統合され,チームが有効に機能するために重要な活動がチームカンファランスである.
わが国の臨床場面では,その必要性が説かれて実施されてはいるものの,命令が一方的に伝達される形式であったり,かえって混乱や対立を生むストレス源となったりしていないだろうか.チームカンファランスもひとつの技術であり,適切な工夫と学校教育段階からの訓練が本来必要なのである.
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