フロントライン'99 介護保険
何が出題された?ケアマネジャー試験—試験問題からみえること
堺 園子
1
1早稲田大学人間科学部
pp.260-264
発行日 1999年3月1日
Published Date 1999/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905795
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どのように行なわれたか
1998年9月20日・27日,10月4日・11日の全4回,介護保険法施行への第一歩といえる,介護支援専門員(いわゆるケアマネジャー)実務研修受講資格試験が行なわれた.『介護支援専門員標準テキスト全2巻』1)より出題されたこの試験の受験対象となったのは医師・歯科医師・薬剤師・保健婦・助産婦・看護婦・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・針灸マッサージ師・栄養士・柔道整復師などで,5年以上それらの現場に働く人々と,多職種にわたっている.実際,高齢者のケアに携わる機会の少ない職種にまで広げる必要があったのか理解に苦しむところではあるが,受験フィーバーともいえる加熱状況のなか,『標準テキスト』は25万部も発行され,4回行なわれた試験の受験者は21万人に達し,合格者は9.1万人という結果が発表された.この試験を通して,これほど多くの,そしてさまざまな職種の人々が介護保険の中身について学んだこと,特に病院や施設のなかで勤務し高齢者や障害者などの在宅での生活にふれることのなかった専門職が,地域に暮らす普通の人として高齢者や障害者の暮らしや人権を支える視点を学ぶ機会となったことは大いに評価されるべき点である.
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