[短期連載] クリティカル・パス—現在の焦点・4
慢性疾患,長期療養とクリティカルパス
阿部 俊子
1
1群馬大学医学部保健学科
pp.863-866
発行日 1998年9月1日
Published Date 1998/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905671
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はじめに
慢性期疾患,長期療養におけるクリティカルパス(CP)というのは,まだ日本ではなじみが薄い.しかし,CPは急性期だけを対象にしたものではない.米国では在宅用のCPも作られている.筆者は,1990年に米国アラバマ大学の修士課程でCPを学び,その時クラスの課題で最初に作成したのは,パーキンソン病のCPであった(表1).パーキンソン病の発病からの平均寿命は17年間である.すなわち,パーキンソン病の患者は,平均して17年間疾患とつきあっていくこととなる.その17年間を,疾患の進行度を軸にしてCPを作成した.慢性期疾患用のCPは患者の退院計画(discharge plan)としての教育用に役立つ.さらに,日本においてはこれから介護保険制度の導入で,そのための慢性期疾患用のCPというのは大きな意義を持ってくるのではないかと考える.
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