特集 進歩する医療技術と看護
高度科学技術を必要とする総合治療病院における看護体制と継続教育—UCSFメディカルセンターを訪問して
中村 あゆみ
1
1大阪府立看護大学成人看護学
pp.1139-1143
発行日 1997年12月1日
Published Date 1997/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905485
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はじめに
私の勤務する看護大学では,国際交流推進事業として,希望する学生に海外研修のプログラムを提供している.平成8年の第1回目の研修は,姉妹校であるカリフォルニア大学サンフランシスコ校で1997(平成9)年3月10日から3月19日に渡って行なわれ,私は研修アシスタントとしてそのプログラムに参加した.その研修期間中,UCSFメディカルセンターの見学とJoan Spicer副看護部長兼院内教育担当の講義を受けた.
UCSFメディカルセンターは,さまざまな看護婦の研修制度を持ち,多くの研究が看護学部研究者と共に行なわれていた.アメリカ合衆国のヘルスサービスの動向は,高騰する医療費削減のために病床数の60%の削減が行なわれ,このためヘルスサービス専門職種の人口は,表1のような余剰の状況になっていた.しかし,患者の重症度が高くなる傾向があり,看護婦に求められる知識のレベルは上がっている.現在,日本においても医療の高度化は進み,どの病院においても看護専門職者への教育プログラムが企画されている.また,看護専門職者の教育は,継続されなければならないと考えている.今回の研修は,看護の質の向上をめざし,病院内でできる看護教育の内容を考えるたいへん貴重な経験となったので,具体的に紹介したい.
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