連載 老人看護展望—欧米研修より・5
ヨーロッパにおける看護診断
阿部 俊子
1
1イリノイ大学シカゴ校看護ポストマスターコース
pp.534-537
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904824
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ヨーロッパでも最近看護診断が話題になってきている.ヨーロッパで看護診断が話し合われてきたのはここ数年のことである.NANDA(北米看護診断協会)で看護診断の国際的使用が話し合われたのは,1990年のことだ(Gordon, 1989).カナダで看護診断が記事になったのは1981年,オーストラリアでは1987年,イタリアでは1986年,ナイジェリアでは1985年である(Wake, Fehring, & Fadden, 1991).
1993年に筆者がデンマークのナーシングホームに研修した時に,そこの看護婦がデンマークでの看護診断のカンファレンスに出席したばかりということで,看護診断の話題で2人しばし盛り上がった.NANDAはアメリカの急性期病院の患者中心なので,ヨーロッパの慢性期の患者には適応しにくい,ということもカンファレンスで話されたらしい.NANDAではなくヨーロッパ独自の看護診断をつくろう,という意見もカンファレンスで出されているらしい.そのデンマークのナーシングホームでは看護診断を使用していなかった.
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