特集 模索する訪問看護ステーション
高度在宅医療は誰が支える—施設看護と訪問看護の違い
池ケ谷 紀子
1
1武蔵野赤十字訪問看護ステーション
pp.996-999
発行日 1994年11月1日
Published Date 1994/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904673
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訪問看護ステーションの誕生まで
武蔵野赤十字病院では,「成人保健相談室」という名称で医療機関からの訪問看護を行なっており,10年の経験がある.近隣の医師会から訪問看護での実績が高く評価され,そのノウハウを生かして,武蔵野赤十字病院で訪問看護ステーションを開所願いたいとの強い要請があり,1993年4月に,「武蔵野赤十字訪問看護ステーション」が開所した.
地域の基幹病院としての武蔵野赤十字病院は,地域の要望に応えて救命救急患者に対する対応(東京都第3次救命救急指定病院)や高度医療を要する患者の受け入れを果たさなければならない立場にある.しかし,人口の高齢化,慢性疾患の増加などから入院期間も遷延し,ベッドの回転率も悪くなり,救急医療の対象者や,症状が悪化して入院を必要とする患者に対しての需要に対応できなくなるという事態が起きてきた.そこで,急性期の治療を終了し慢性期を迎えた患者の中から,家族の介護力の評価を行ない,患者・家族が在宅療養を強く望んでいることを前提に訪問看護を開始するに至ったという背景がある.
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