招待席
永田久美子—痴呆ケアに携わる人々をエンパワーしたい—現場を創る人の支援とグルーフホーム第三者評価事業
永田 久美子
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1高齢者痴呆介護研究・研修センターサービス評価推進室
pp.1077-1081
発行日 2002年12月1日
Published Date 2002/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904084
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—高齢者痴呆介護研究・研修センターは,痴呆の研究と痴呆ケアに携わる人々の研修を専門に行なうことを目的に設立されたと伺っています.このセンターができたいきさつからお聞かせ下さい.
ちょうど介護保険ができる前のころの話(1998年ごろ)ですが,痴呆ケアがますます重要な時代になっているにもかかわらず,ケアの方法も質も,施設・事業者ごとにばらばらで,「このままでいいのか」という危機感が関係者の中にありました.痴呆ケアに携わる人の研修は「処遇者技術研修」という名称で,1987年から大々的に行なわれてきましたが,その内実は,理念も中身も都道府県まかせで全国的に統一されておらず,中には研修施設としてふさわしくない施設が実習先に選ばれるというようなこともありました.痴呆ケアは先駆者たちの努力の結果,さまざまに進化を遂げているにもかかわらず,情報や技術が共有されず,結果的に間違ったケアが見逃されているような状態があったのです.
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