特集 全身疾患と口腔ケア
歯周病と全身疾患―いま明らかになっていること
西村 英紀
1
1広島大学大学院 医歯薬学総合研究科
pp.45-51
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101687
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はじめに
口腔内に原発する病巣感染が、二次的に全身疾患の原因となり得るということは、以前から「歯性病巣感染説」として提唱されていた。もっとも有名な例としては歯性病巣感染と感染性心内膜炎の関連性がある。バイパス手術を受けた患者や心奇形を有する患者における心内膜炎の発症に、口腔内細菌が関与するとした概念である。
そのような直接的な細菌感染説に加え、近年では口腔局所疾患による炎症反応が全身に影響を及ぼすという、「炎症反応説」もとなえられるようになった(図表1)。炎症反応を惹起する代表的な慢性疾患は歯周病である。
ここでは歯周病と全身疾患の関連について、これまでの研究から明らかとなっていることを述べる。
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