解説
「睡眠」から診る2型糖尿病
河盛 隆造
1
Ryuzo Kawamori
1
1順天堂大学大学院
pp.966-968
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101346
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はじめに
2型糖尿病患者数は日本でこの50年間で50倍になり,優に1000万人を超えた.しかし,この短期間に“疾患感受性遺伝子”が変わったわけではないだろう.有病者が急増したことは生活環境が大きく変化したためと考えられる.WHOは,2000年に「この状況が続けば,糖尿病人口が2030年には世界中で約40%増加する」と警告を発したが,現実には,その後の5年間で予想をはるかに超えたスピードで激増していることが種々の疫学調査で証明されている(表1).
2型糖尿病の発症を促す引き金として,常に「過食」と「運動不足」が挙げられる.それに加え,ますます重みを増しているのが「睡眠障害」であろう.2型糖尿病発症・増悪と睡眠障害の関係は,“新しい未研究分野”であり,かつ“解決されるべき,興味ある研究分野”と私はとらえている.
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