特別記事
2001年「いいお産の日」in東京レポート—赤ちゃんがやってくる
兼松 弘子
1
,
河合 蘭
2
,
三好 菜穂子
2
1「いいお産の日」in東京
2REBORN
pp.249-253
発行日 2002年3月25日
Published Date 2002/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902843
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「いいお産の日」が持っている「磁場」
2001年11月3日,いいお産の日実行委員会とREBORNの主催により,21世紀最初の「いいお産の日in東京」が東京ウィメンズプラザで開催された。参加人数は840名だった。たった1日の手作りイベントに,これほどの参加者が集うのは,8年間の歴史はもちろん,何かこの空間がもつ「磁場」のようなものを感じざるを得ない。その磁力は,一言で言えば「生きた感覚」。生身の人間と出会う喜び,生身の手が施してくれるぬくもり,体温のあるメッセージ。パソコンをクリックすれば,溢れんばかりの情報におそわれる今,人々は「いいお産の日」に生の接触を求めている。たとえば,日本助産婦会東京都支部企画の「体験のへや」で聞こえた感想。助産婦さんが,妊婦さんとともにお腹の中の赤ちゃんに触れる体験の中で,「普段の検診では心音すらも聞いたことがない」と,涙ながらに喜ぶ妊婦さんがいたという。助産婦さんにとっては当たり前のことが,「特別なこと」になる現状。医療現場における生の会話が,生のふれあいが,いかに少ないかを物語っている。
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