連載 判例にみるジェンダー・4
妻子ある男性のストーカー
石井 トク
1
1岩手県立大学看護学部
pp.366-367
発行日 2001年4月25日
Published Date 2001/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902634
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ストーカー犯罪
ストーカー(stalker)の語源は「忍び寄ること,浸透すること」であるが,犯罪精神医学的には対象に執拗につきまとい,対象あるいはその周辺の者に攻撃行動を仕掛けるなどして身体的・精神的損傷を与える行為と定義している。身勝手な思い込みによるつきまとい行為から取り返しのつかない事件が多発しており,社会的問題となっている。「ストーキング被害者の会」の平成11年3月の調査によると,加害者は知人(52%)が最も多く,次いで元夫および元恋人(30%),その他(15%),相手不明(3%)であった。被害の期間は10年以上(14%),5〜10年未満(20%),1〜5年未満(56%),1年未満(10%)と報告している。
わが国では,従来から「男女の仲のこと」として,格別に取り締まる法がなかったが,平成12年5月24日,つきまといなどを犯罪として禁止する「ストーカー行為等の規制等に関する法」が施行された。
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