特集 タッチケア(下)
ふれあうことの心とからだのメカニズム
1.発達神経学からみたふれあい
前川 喜平
1,2
1(社)日本小児保健協会
2慈惠医科大学
pp.193-198
発行日 2001年3月25日
Published Date 2001/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902600
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はじめに
タッチケアの「タッチ」とは「ふれあい」の意味である1)。ふれあいとは抱く,なでる,語りかける,母乳を与えるなど,子を持つ親が自然に行なうスキンシップをいう。ふれあいにより母親の心に「育てる力」が,赤ちゃんに「育つ力」が点灯される。赤ちゃんは親子のふれあい,母子相互作用により育つ。乳児期におけるふれあいの一つとして親子の絆を強めるのがタッチケアである。
子どもの特徴は成長と発達と言われている。成長とは加齢と共に一定の規則を持って身長・体重など計測可能なものが増加する過程をいう。発達とは加齢と共に一定の規則に従って,歩く,話すなどの機能を獲得していく過程をいう。例えば1歳のお誕生日過ぎになると,体重は出生時の3倍となり,意味のある単語を言い,歩き始める,などである。
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