Medical Scope
原因不明とされていた早期新生児の発疹症
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.917
発行日 1998年10月25日
Published Date 1998/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902039
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生後2〜3日の新生児が急に発熱し全身に赤い細かい発疹を示し,血小板減少や好中球減少を伴う原因不明の発疹症があることが報告されていました。一人の患児が発症すると数名の患児も発症し,あたかも細菌感染症が伝染したのではないかと考えられるようでした。この原因不明の新生児発疹症が,実は黄色ブドウ球菌の毒素のようなものによることがわかってきました。
黄色ブドウ球菌はブドウ球菌のなかでも強力な細菌で,なかにはMRSAという名で恐れられている抗生物質になかなか効かない種族があるということも知っていると思います。この黄色ブドウ球菌,ほとんどはMRSAという種類なのですが,大腸菌のO157ように外毒素を産生します。
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