特集 母乳育児成功のコンセプト(上)
子どもの数が増えるほど,育児が楽になってきた
志村 季世恵
pp.774-778
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902010
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はじめに
人は,子どもの可愛さを知ることができたなら,平凡な幸福でも世界中の幸福を一人占めにしたと思うほどであろう。口元から漂う,甘く優しいおっぱいの匂い。そっと指をたてると吸い込まれそうな頬。頼りなげな首。赤ちゃんに魅せられ,赤ちゃんフェロモンを知ってしまった私は,もう15年間も虜になったままだ。そして,おせっかいにも私は,このフェロモンの存在を人々に伝えていきたいと思っているのだ。
私は現在,バースセラピストとして多くの妊産婦さんと接している。だが,家に戻れば普通の母親。本稿では,私自身の育児の体験と,私が仕事をとおして見たお母さんたちの悩みとを織りまぜて,現代では社会から難しいと思われがちな「子育て」のよさについて執筆できたらと思っている。
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