特別記事 「いいお産の日in 96」年々,多くの人をまきこんで
今年は全国7か所で開催
—11月7日仙台—よりよい出産と母乳育児環境を求める人々からあたたかなエールが
金子 真由美
1
1ラ・レーチェ・リーグ仙台
pp.248
発行日 1997年3月25日
Published Date 1997/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901673
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東北一の都市,仙台圏にある助産院はひとつ,自宅出産を扱う助産婦はひとり。しかし,自分らしいお産や,母乳育児を望む人,または,それを応援しようとする医療関係者はたくさんいます。そんな中,“いいお産の日”本番にそなえ,10月3日には大阪の「主体的なお産を考える会」の吉村氏,茨城の「ぐるーぷ・きりん」の草野氏を迎え,「プレいいお産の日 '96」を開き,各地のお産事情について,語っていただきました。その頃から,マスコミを中心に関心が集まり,「いいお産の日 '96 in 仙台」が開かれた11月7日は,平日にもかかわらず,宮城県はもとより,北海道,岩手,福島,山形から人々が集まり,大盛況となりました。
「すばらしい出会いのために」と題したシンポジウムでは,リグハート氏から「自分の力を信じ,自信を持って出産に臨むこと。小さな命を尊重し,出産後は,すぐに赤ちゃんと一緒に過ごすことが大切」と力強いメッセージが送られ,これは,テレビやラジオのニュースで広く伝えられました。白石市の斉藤産婦人科の佐々木俊江氏は,医師と妊婦の間に立って,母子により良い出産,母乳育児環境が提供できるよう働きかけてきた経験談を,東北大学の堺武男氏は,1歳断乳に根拠がないことや,赤ちゃんの体重増加と母乳への薬の影響について,また,ナーシング助産院の笠松愛子氏は,お母さんのニーズに合わせた産褥入院などのケアと助産婦の仕事について,ラ・レーチェ・リーグの設楽ベッキー氏は,日本の病院で自由な分娩体位で産んだ経験から,医療者との対話の重要性についてそれぞれ語っていただきました。妊婦さんやお母さんたちに,あたたかいエールを送るかたちのシンポジウムでした。
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