特別寄稿 アメリカ取材シリーズ・1
母乳相談の国際資格「ラクテーション・コンサルタント」とアメリカ母乳事情
河合 蘭
pp.498-504
発行日 1996年6月25日
Published Date 1996/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901495
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アメリカの母乳事情は,人工栄養大国の時代から見れば大きく巻き返し,好転している。日本と違い多様な民族や階層を呑み込んでいる国なので,道は険しい。が,母乳に対する努力は決して小さくはなく,国の公衆衛生局医務長官は,西暦2000年までに出産直後の母乳率を75%に,生後5〜6か月の母乳率を50%にまで高めるという目標を提言している。
母乳指導者の新たな資格認定制度も,80年代にいくつか登場している。その中でも権威を持ち,国際的な広がりをみせ,つい最近日本でも受験可能となったものに「国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC International Board Certified Lactation Consultant,以下,ラクテーション・コンサルタントと略す)」という資格がある。この資格認定試験は,1985年,IBLCE(The International Board of Lactation Consultant Examinersラクテーション・コンサルタント資格試験国際評議会)によって開始された。アメリカ連邦政府の資格認定機構委員会(National Commission for Certifying Agencies:NCCA)から認可を受けており,病院でも評価されつつある。
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