特別寄稿
胎児心拍数モニタリングの記録判定は助産婦の仕事か
ターナー 節子
pp.325-330
発行日 1996年4月25日
Published Date 1996/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901457
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はじめに
分娩は設備の整う病院で,いわゆる予防医療の集中管理のもとで行なわれる方が安全であるという主張から,施設分娩の数は頂点に達している。その集中管理の1つの手段として使われだした医療器械に,分娩監視装置(Electric Fetal Monitor;EFM)がある。EFMは,胎児の酸素欠乏状態を異常パターンとして記録し,胎児死亡,脳障害を防ぐという信念のもとに使われ始めて25年余。ほとんどの産科関係者が使っているEFMでありながら,その実践方法,管理,そしてなによりもその結果解読に一致をみていないのが現状というのは,多くの人が同意するところである。
人工破膜,陣痛促進剤,EFM継続使用,会陰側切開とあらゆる限りの集中管理をした分娩と,一人ひとりの産婦のもつ分娩能力を最大限に生かした,EFMを使わない安全な分娩の両方を経験した個人の視点から,EFMの信頼性,必要性,有効性を追及し,科学的裏づけを提示するとともに議論をすすめてみたい。
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