特別寄稿
検診車から見えたアラブの世界—人口家族計画・母子保健プロジェクトに参加して
丹野 かほる
1
1国際協力事業団
pp.756-762
発行日 1994年9月25日
Published Date 1994/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901098
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はじめに
私は,1990年1月から1994年3月までエジプトで実施された国際協力事業団(JICA)のエジプト国人口家族計画・母子保健プロジェクトに参加する機会を得た。このプロジェクトの目的は,日本から供与された検診車を用いて,医療・保健サービスの行き届いていない上エジプトの村で母子保健の向上および家族計画の普及を図ることであった。この検診車はまさに動く産婦人科外来であり,超音波診断装置も積載されていた(写真1)。
本年9月には,エジプトの首都カイロにおいて国連による国際人口・開発会議が開催される予定である。人口問題は開発途上国の抱える重要な問題である。エジプトでも特に上エジプトで深刻な問題であり,その協力のため本プロジェクトが開始された。
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