ちょっとサイエンス
猛威をふるったインフルエンザ
牧 智子
pp.426
発行日 1993年5月25日
Published Date 1993/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900806
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重症者が多かった今年のインフルエンザ
この冬,日本各地でインフルエンザが猛威をふるいました。近所の赤ちゃんがインフルエンザで亡くなったこともあって,「この冬の風邪はたちが悪かったなあ」と思っていましたが,この3月30日付けの読売新聞の記事を読んで,ますますその感が強くなりました。その記事とは,この冬のインフルエンザを国立予防衛生研究所呼吸器系ウイルス研究室の根路銘国昭室長らが解説したものです。インフルエンザは怖いということがますます実感できるような記事でしたので,ここに紹介させていただきます。
まず罹患者数が多かったということが特徴の第一。記事によれば3月6日現在で罹患した児童・生徒は86万人。昨シーズンは27万人ということですから,その多さは驚きです。近年では1989年から1990年にかけてのシーズンに107万人という記録がありますが,それに迫る記録です。
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