クローズ・アップ
ナプキンの本と避妊ビデオを完成させた—小野清美さん
pp.795
発行日 1992年10月25日
Published Date 1992/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900657
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千葉県立衛生短大で母性看護学を教える小野清美さんは,10年来女性のサニタリー用品を研究しつづけている。その実績が買われ,障害者のためのトイレの改善,生理用品の開発などではメーカーから意見を求められることも多い。今ではトイレと生理用品関係の博士といえそうだ。
そんな小野さんが,この夏のはじめには横浜女性フォーラム製作のビデオ「わたしと彼の避妊講座」を,プロジェクトチームの一員として完成に導き,つづけて本邦初の月経処置の歴史をまとめた『アンネナプキンの社会史』をJICC出版から上梓した。先のビデオの内容については,本文の製作レポート(57頁)をお読みいただくとして,後者の『アンネナプキンの社会史』は,タブーというほどではないが,長く秘めこと扱いされてきた月経処置の歴史に真正面から研究の手をさしのべたものである。バイタリティのかたまりの小野さんが「疲労困憊」というほど精魂込めた力作が,女性解放をまた一歩進めることは確かなようである。
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