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特集 世界の助産婦と母子保健
国際助産婦連盟学術大会
ノルウェーの母子ケアと助産婦活動
The Maternity-Child Care and Midwives as a Profession in Norway
Sonja Irene Sjφli
1
,
戸田 律子
,
矢崎 美恵子
1Norwegian Association of Midwives
pp.408-410
発行日 1990年5月25日
Published Date 1990/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900093
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ノルウエーという国について
ノルウエーの医療制度をよりよく理解していただくためにノルウエーの地理的背景を少し説明したいと思う。ノルウエーは,ヨーロッパの北端にあり,北部は東シベリアとほぼ肩を並べて南に延びる細長い国である。南東部の中心に位置する首都オスロは,北極圏アラスカのアンカレッジと同緯度であるが,はるかメキシコ湾からの,温暖な海流の影響で永久凍土地帯がない。地形は南東部のゆるやかにうねった丘陵地に対して,北部,西部のギザギザしたフィヨルドや,ごつごつした岩だらけの山々もあるなど多様である。この地形の影響で人口分布,医療の形態がかわってくる。
ノルウエーの国土の広さは,日本のほぼ90%にあたる323,878km2です。人口は,約410万人。日本の巨大な人口のたった4%にすぎない。ノルウエーの人口の約半数以上は,医療,交通,通信手段の整った南東部地域に密集している。北部は,極端な過疎地帯で町がわずかにポツリポツリと点在するだけである。ここの人々は,過酷な天候にさいなまれて暮らしている。このため,国のかかげる大目標の,どこにおいても平等な良いマタニティ・ケアが,実際にはなかなか達成できない。しかし,その埋め合わせとして,検診のための病院までの交通費や緊急時のハイ・リスク妊産婦の,飛行機やヘリコプターの使用は無料になっている。
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