私と読書
「新生児」を読んで
田中 幾子
1
1国立大蔵病院
pp.70-71
発行日 1987年1月25日
Published Date 1987/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207055
- 有料閲覧
- 文献概要
新生児の能力に生命の不思議を思う
私は思春期の子供たちの電話相談を担当しているが,ごく普通の高校生,中学生から「メンスがこないんです」「おろしたいんですが……」などといった性にかかわる悩みを相談される。「性」が生きる「生」と切り離されているのは子どもばかりではないが,これから成長する子どもの状況に対しては,どうにかしなければとあがくような気持になってしまう。親子関係は,生き方は,家庭は,どうなっているのか。そして現代の情報化社会のありようを真剣に考えなければいけないのではないかなどと,日々思いがつのっている時,この本を紹介された。
さっと一通り読み次に熟読し,「いのち」のすばらしさを再発見した思いである。助産婦はもちろんのこと,これから母になる人,父になる人,思春期の子達にもぜひすすめたいと思った。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.