Medical Scope
新生児の頭蓋内出血,ことに脳室内出血に関する話題[1]
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.464
発行日 1985年5月25日
Published Date 1985/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206657
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最近,周産期医学に関する本や論文のなかで"ICH"という略語をみかけることがあると思います。これはIntra-Cranial Hemorrhageの頭文字をとったもので,頭蓋内出血という意味です。出生周辺期すなわち周産期におこる新生児の最大級の合併症として,頭蓋内出血に関しては非常に古くからたくさんのことが論じられてきました。
新生児の死亡原因や神経学的な後遺症と直接的に結びつく頭蓋内出血についての研究は,今は,CTスキャンや超音波断層法を応用した非常に早期の細かい部分までの診断技術の進歩によって,また,血液の凝固因子系の著しい研究の前進によって,一段と深まり,今年の1月19日に東京で開催された第3回日本周産期学会ではシンポジウムの主題としてとり上げられました。今回は,その席上,多くの研究者によって発表された内容の一部をわかりやすく解説することにします。頭蓋内出血のことなどむずかしくて理解できない,などといわないで,今日の進歩した研究成果に耳を傾けて下さい。
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