特集 保健指導再考
グラフ解説
聖バルナバ病院の「母性講座」
左古 かず子
1
1聖バルナバ助産婦学院
pp.849-852
発行日 1981年11月25日
Published Date 1981/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205928
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.「母性講座」の歴史
私たちが担当している「母性講座」は,聖バルナバ病院において戦後間もない昭和22年(1947年)から始められ,今年で34年目を迎えることになる。
戦後の間もない時期に「母性講座」と銘うった母性に対する保健指導が始められたのは,聖バルナバ病院が,当時の他の医療機関とは異なって,患者の診療ばかりではなく,いち早く予防医学の面に力を注いだことにある。聖バルナバ病院は,産科・小児科を専門とする「母と子の病院」として設立されたのであるが,その趣旨に沿って妊産婦および乳幼児の保健指導を積極的に行なうと同時に,将来母親となる女子に対して母性教育を行なうようになったのである。これが聖バルナバ病院における「母性講座」である。本講座は「すべての健康の源は,母子の健康にある」ということを大前提に,社会教育の一貫として,健全な母性を育成するために必要な,一般母性に対する知識の普及に努めてきたのである。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.