学生研究
母子健康手帳の活用を高める一考察
野田 幸子
1
,
梶栗 芳子
1
,
芦村 貴代美
1
,
栄谷 尚美
1
,
井上 恭子
1
,
柴田 久江
1
,
大庭 操
1
,
待鳥 丸里子
1
,
大森 清子
1
,
諸冨 カズヨ
1
,
荻野 昌子
1
,
山口 知子
1
,
尾畑 恵美子
1
1福岡県立看護専門学校保健婦助産婦科
pp.40-43
発行日 1979年1月25日
Published Date 1979/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205489
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1.はじめに
母子健康手帳(以下母子手帳と略す)は,昭和17年に妊産婦手帳としてスタートし,その後,数次の内容の改善をみながら,母と子の健康を守る貴重な方途として,今日に至っている。それは,母子の健康記録簿として,また育児の手引きとして役立ち,さらに保健指導の際にも貴重な参考資料としての働きを持っている。しかし,本当に母子手帳は十分に活用されているであろうか。
文献によれば,染谷ら1)は,「母親側の手帳に対する意識をみると,手帳の存在は知っており,また,あるほうが良いと思っているが,それを活用したいという積極性に欠けている」と述べている。また,石塚ら2)は「妊娠経過中の妊婦自身の記録で何らかの記入目ある者32%,記入するように指導を受けたと答えた者18%であり,活用されていない」と報告している。そして筆者らが,一部の役場,保健所および県庁で交付時の説明の有無,内容,交付者についての実態を調べたところ,十分活用されていないことがわかった。
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