母子衛生統計
小児慢性特定疾患治療研究事業
中原 俊隆
1
1厚生省児童家庭局母子衛生課
pp.517
発行日 1977年8月25日
Published Date 1977/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205254
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小児の慢性疾患のうち特定疾患については,その治療期が長期にわたり,医療費の負担も高額となり,これを放置することは児童の健全な育成を阻害することになるため,治療研究を推進し,その医療の確立と普及を図り,あわせて患者家庭の医療費の負担軽減にも資することを目的として実施されている事業である。
この事業の歴史は,昭和43年度に未熟児養育医療制度の中でフェニールケトン尿症など先天性代謝異常症に対する医療給付が行なわれたことにはじまる。昭和44年度には,これに血友病が加えられた。昭和46年度には,死亡率が高く,かつ治療費の負担が高額となる小児がん(悪性新生物)について,18歳未満の患者を対象に,入院医療費の公費による援助が開始された。さらに,慢性腎炎,ネフローゼ患者について,昭和47年度から養護学校などを併設している病院において入院治療を受けている児童を対象に,医療費の公費援助がはじめられ,昭和48年度には,長期に入院を必要とする児童に対象が拡大された。また,ぜんそくについて昭和47年度から,慢性腎炎,ネフローゼの場合と同様の制度が行なわれた。
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