特別寄稿
産科看護処置に関する医事紛争
奥山 通雄
1,2
1大阪市立桃山市民病院産婦人科
2大阪府医師会医事紛争処理特別委員会
pp.520-525
発行日 1975年10月25日
Published Date 1975/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204929
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1.はじめに
近年医療事故による紛争が著しく増加してきている。とくに産婦人科関係の事故が他の科に比して多発しているが,中でも母子2つの生命を対象とする産科学の特殊性から産科に関する医事紛争の多いのが目立っている。
そして分娩時の母体死亡や新生児の脳性麻痺,未熟網膜症などの難解な問題の多い反面,案外ささいな不注意のための看護処置不備による事故の多いのも見逃がせない。とくに苦痛も何も訴えることのできない新生児の事故については,時にはその傷跡のきわめて深刻なものもあり,家族や周囲の人々に計り知れない負担と苦痛を与える場合も多い。
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