患者と私
医事紛争の経験から
今永 一
1,2
1愛知県がんセンター病院
2名古屋大学
pp.1068-1070
発行日 1971年7月20日
Published Date 1971/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205395
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今度臨床外科より"患者と私"という題で執筆の依頼を受けましたが,たまたま私は一手術患者より,手術過誤の下に告訴せられて,今度名古屋地方裁判所より賠償金を支払えとの判決を受けて,私の一生において,この患者ほど私にとつて印象深い患者はないだろうと思われるので,この裁判事について記述することに致しました.
患者と医者との関係は,患者がその医者を信頼して,特に私ども外科医においては,一発勝負の手術の依頼を受けるので,外科医者はこの信頼に応えるべく,万全の努力を致さなければならないものと考えます.それには単に技術的のみならず,医者は患者の精神面についても,十分考慮して,安心して手術を受け得るよう配慮することが必要です.
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