ケース・レポートを読んで 産科医の立場から
骨盤位に関する2〜3の事項
福田 透
1
1信州大学医学部産科婦人科学教室
pp.509-511
発行日 1974年10月25日
Published Date 1974/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204757
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1.はじめに
分娩が正常に完了するためには,①妊娠経過が正常であること,②産道,胎児,陣痛のいわゆる分娩の3要素が整っていること,③しかもこの3要素の相互間に適切なハーモニーが保たれていること,などが基本である。これらの状況に少しでも変化のある場合には,分娩は異常へと流れる傾向が生じてくる。
骨盤位はかかる面では胎位に関する代表的な異常の1つであることから,頭位の場合より一段と助産婦の管理を厳重にしなければならないことは言うまでもない。しかしまた,徒らに恐れる必要性もなく,たとえ骨盤位であっても,その殆んどの症例が経膣自然分娩,あるいはそれに近い状況で健康な生児が得られている事実は,見落としてはならない大切な点である。
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