特集 助産婦さんはこうあってほしい
医師の立場から
業務を再整理し魅力ある職業に
名取 光博
1
1都立築地産院
pp.10-13
発行日 1967年4月1日
Published Date 1967/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203371
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1.はじめに
どんな職業でも社会から分離し,独立して全くその影響を受けずに存続することは不可能に近い.社会の変化が激しければ激しいほど,それぞれの職業の受ける影響も大きい.その職業が社会的要求に対して全く順応性を持たず,その職業につく人々が,自分たちの職業に使命感もなく,漠然と時の流れに従っているときは,その職業は社会から抹消されてしまうことすらある.隆盛をきわめていた職業が一世代の間に斜陽化することもある.
助産婦という職業についても,一部にはその斜陽化を惜しむ人がいる.私は助産婦という職業が斜陽化しているとは考えたくないし,また,実際にもそれは当っていないと思う.むしろ,質的変化を遂げながら,新しい道を求めて発展していく職業であり,社会のためにもぜひともそうあってほしいと願う一人である.以下産科医としての立場からみて助産婦という職業を分析検討しながら諸姉にのぞむ2,3の点についてのべてみたい.
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