対症看護講座 全身症状
浮腫・脱水
足立 春雄
1
1徳島大学産婦人科
pp.26-29
発行日 1966年1月1日
Published Date 1966/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203110
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A.浮腫
1.浮腫とはどんなものか
Bernardは血液のほとんどを占める血漿やリンパ液その他の細胞の外にある水分を一括して生体の内部環境と呼んでいるが,体内の細胞の一つ一つがこれら水分に漬って生きていることを考えると,表皮で一線を画して生体が生きている外部環境に勝るとも劣らない大きな意義を持つものであることが容易に理解される.これらの内部環境を作っている細胞外液が異常に増加したときが浮腫であり,いろいろの病気の際に現われる一つの大きな徴候である.
しかし外見上で浮腫があるとわかるまでには,かなりの水分が組織の間隙にたまらなければならないので,それまでは潜(伏)在浮腫とか,前浮腫とかいわれる状態である.水分が組織の間隙にたまるためにはまずそれらの間隙の広いところを選んでたまるのが普通である.たとえば眼瞼とか,手や足の甲などである.
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