母性保健特集講座 衛生教育
思春期の女子の保健衛生
木下 正一
1
1賛育会病院
pp.10-13
発行日 1965年2月1日
Published Date 1965/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202909
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はじめに
子供たちの心身の発育ぶりは,観るものの心を驚かすことばかりである.新生児期,乳児期,幼児期,少年期とそれぞれの時期によって成長発達の様相にはおのおの特徴がみとめられる.しかしこの各期間の成長発達を観察して,私は一連の共通する意義をみとめるものである.それは,この期間中を通して,個体生命保持のための諸機構の基本的なものが,すべて一通り身心両面に発達し,調整されてくると考えるからである.ところが,この期間の終末ごろ,つまり少年期の後期ごろからは,それとはまったく別個の心身の機構が,新たなる成長発達のスタートを切るように考えられるのである.
すなわち,少年期の後期ごろからは,心身の発達の中に,新たに種族生命保持のためのもろもろの機構が成長発達をはじめるとみることができるのである.ここに思春期到来の意義をハッキリとつかむことができるのではあるまいか.
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