母性保健特集講座 新生児
新生児の生理
小国 親久
1
1北海道大学医学部産婦人科教室
pp.10-17
発行日 1964年12月1日
Published Date 1964/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202876
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1.はじめに
新生児の生理は,相当広汎な範囲にわたります.また,新生児が生後28日未満の児を指すと定義されていることを考えましても,新生児とは漠然とした生体であると言わないわけにはまいりません.ご承知のように,人間—ヒト—の一生涯を考えますと,いろいろな疾病に罹患する可能性があるわけですが,それらの疾病のあるものには好発時期あるいは好発年齢があり,また季節によってもある種の疾患が発生したり多発したりしております.そして,その個体の抵抗力とか適応能力は,その個体内部にあるだけでなく,外部因子によって種々の影響を受けることも,すでにご存知のことと思います.
ヒトが受精から母体外生活へ移行するまでの生活を考えましても,非常に複雑微妙な内外因子や要素が絡み合っていて,環境の変化に対応する能力を妨げたり,障害したりし,順調な成長発育に大きな影響を与えているとも考えられます.
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