母性保健特集講座 産褥の異常
排尿異常と泌尿器疾患の予防と看護
岡本 ムツコ
pp.34-38
発行日 1964年10月1日
Published Date 1964/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202846
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
分娩後の褥婦は,腹腔内圧が急速に減退し,腎機能はいちじるしく亢進するにもかかわらず,尿閉や排尿異常をおこすことがしばしばある.しかもそのために子宮収縮不全を惹起し,かつ尿路感染をおこす危険も多くなってくる.ようやく分娩という大任を果たした婦人にこのような不快な状態がおこることのないように,十分留意して看護に当たることが褥婦管理を行なう助産婦およびその他産科看護者の責務ともいえよう.
まず排尿異常と泌尿器疾患の予防と看護について論ずるまえに,その原因ならびに疾病について一応の検討を加えておきたい.
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.