巻頭随想
心からありがとう
信夫 澄子
pp.9
発行日 1963年9月1日
Published Date 1963/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202601
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その日から,20年あまりの年月が過ぎたが,初産の記憶はなまなましく体にしみこんでいる.
腰骨をシメ木できりきりとしめつけられるような痛みは,頭痛や歯痛とはちがう.異様な痛みだ.男にはわかりようもない痛みだ.その痛みがおしよせてくると,こらえ性のない私は「痛い,痛い」と助産婦さんに訴える.
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