インターホン
赤ちゃんの匂い,他
五味 正恵
pp.37-39
発行日 1963年3月1日
Published Date 1963/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202506
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今は高校生に成長している長女がまだ小学校の頃『私のお母さん』という作文の中で「私のお母さんは,いつも赤ちゃんばかりいじっているので,お母さんの手は赤ちゃんの匂いがする」こんなことを書いた2,3行を覚えている.実際助産婦として赤ちゃんの匂いの中に過ごしてきた20年の歳月は,私の体の中にも心の中までもその匂いを滲みこまさせずにはおかない年月であろう.そしてまたその赤ちゃんの匂いのいっぱいする助産婦になれたら,なんてすばらしいことだろうと思う.
甘い,温かい,素朴な,神様が赤ちゃんのみに与えられた匂い「愛の匂い」この愛の匂いこそ私ども助産婦として生きて行く者の最大の支えではないだろうか.
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