連載 妊産婦保健指導の実際(最終回)
産褥期の指導(3)退院時の指導—育児に関する指導(2)
青木 康子
1
1日赤産院保健指導部
pp.23-27
発行日 1962年11月1日
Published Date 1962/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202432
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環境について
部屋,寝具,衣服などに対する注意は,妊娠中準備する際も,また入院中にも指導されてはおりますが,退院時にはそれぞれの季節にあつた具体的な指導がなされるべきです.
部屋について注意したいことは,特に冬,室温を20度(摂氏)位に保つた方がよいなどと申しますと,しめきつた室内を炭火や石油コンロ等で,夜中まで無理に20度に保とうとする人も出てきます.都会では家庭電化がすすみ,電気ストーブ,ガスストーブ,ルームクーラーと年中室内の温度を快適にする努力がなされておりますが,そのような環境に常に児をおいておくことは出来ません.外出しなければならない時もありますし,やはり自然の気温の変化になれさせるということは大切なことで,このような行き過ぎをいましめたいと思います.隙間風を防ぐということを,あまり強調しますと,目張りをしたりする人が出てきます.一般に温度にばかり気をとられ,湿度や換気については,比較的無関心のものが多いので,その点を注意したいと思います.特に夏は20度に保つというようなことはとてもむずかしく,室内の風通しをよくして,涼しくすることに心がけます.
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